グローバル・ガバナンス推進委員会は、世界連邦日本国会委員会によって設立されたものです。古くから国家を超えた概念は登場していましたが、世界連邦運動(World Federalist Movement, WFM)が本格的に盛り上がったのは、大きな被害を経験した第二次世界大戦終結直後でした。国際連盟の失敗の反省を踏まえ、国際連合が誕生しましたが、核兵器の登場によって、やはり「国家連合」では永久平和は実現せず、「世界連邦政府」建設をしなければ、人類は脅威から逃れることはできないとして、アルベルト・アインシュタイン、バートランド・ラッセル、アルベルト・シュヴァイツァーらの知識人をはじめ、市民から政治家に至るまで、世界連邦建設を求める運動が、世界中で同時発生的に開始されました。そして1946年10月に、ルクセンブルクにおいて世界各国の世界連邦主義者が終結し、世界連邦政府のための世界運動(World Movement for World Federal Government, WMWFG)という団体が結成され、ジュネーブに本部がおかれました。これが現在も「World Federalist Movement, WFM」として、世界各国に関連団体を持ち、国際連合の経済社会理事会特殊協議資格(カテゴリーⅡ)を持つ国際組織として存続しています。日本国内においての世界連邦運動は、太平洋戦争終戦後の1945年12月に、憲政の神様と言われた当時の帝国議会の重鎮である尾崎行雄が、30名の賛同議員とともに「世界連邦建設に関する決議案」を提出したところから発展しました。

 当初は世界連邦運動の中心は「平和」に向けられていましたが、現代はこれに加え、以前からあった地球環境問題の悪化、グローバル化の進展の弊害による実態経済から離れた金融取引等による経済格差の拡大、1989年以降の冷戦崩壊による民族紛争、9.11以降テロの多発、イスラミックステートに代表されるようなインターネットの啓発活動で繋がりが広がっている「領土概念や縦秩序のない国家的な組織」の登場、ICTの発展による監視社会やサイバーテロの脅威、バイオテクノロジーの倫理問題、そしてAI等の科学技術の発展による支配的監視社会等、そして、2020年最も大きな課題である感染症等、ますます増加している国家を超えた地球規模課題を解決する手段として世界連邦運動をしています。地道な政策提言の中で、「国際連帯税」の導入にも力を入れており、その他にも、「国際連合議員総会(United Nations Parliamentary Assembly)」設立、「国際連合緊急平和部隊(United Nations Emergency Peace Service)」実現等に向けて活動を続けています。

 このような流れの中で、本「グローバル・ガバナンス推進委員会」の設立が、世界連邦日本国会委員会創立70周年を機会に、行政府の省庁だけではなく立法府で日本国憲法では国権の最高機関と明記されている国会にも「有識者諮問機関」が必要であるとして2019年5月15日、与野党各党から世界連邦日本国会委員会に代表者に出席していただき、超党派・全会一致で採択されました 。また、その場で、元国際連合事務総長特別代表として東ティモール等で豊富な成功体験を持つ、長谷川祐弘先生に全体の座長に就任していただき、さらには国連改革、地球環境問題・気候変動、軍縮、議員外交、国際連帯税(革新的資金創出メカニズム)、法の支配について、これらをそれぞれの分科会として審議会を開催したうえで、答申・提言をすることも決定しました。SDGs推進をはじめ、感染症対策、防災・災害救援、(ジェンダーの問題を含む)人権等、他にもまだ審議していない地球規模課題の分野もあり、2020年の世界連邦日本国会委員会によって、このグローバル・ガバナンス推進委員会は、2020年度以降も継続させることが決定されました。

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